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運転フィーリング


mark01.jpg 素直なアクセル感覚
この車を買う時に、調子に乗って色々と試乗して回ったのは先述の通りであるが、この車を選んだ決め手の一つがアクセルペダルの感覚である。
非線形スロットルと呼ばれるものなのかあまり詳しい知識はないが、私が遭遇した車の中にはアクセルを少し踏むとガバッとスロットルが開いたような感じでエンジンが唸り出すものがある。
どういう意図なのかわからないが、この手のアクセル特性の車は常におっかなびっくりペダルを踏むことになり、気疲れして仕方がない。
Luteciaのアクセルはそのような特性がなく、「踏んだら踏んだだけ」の素直な特性であり非常に落ち着く。
また、ペダルそのものの重さ(踏み込み抵抗)も、適度に重たい感じがして僕のようなルーズな人間にとっては非常に楽である。
なかなか良くできているなぁ、ともうひとつ感心したのは、アクセルを奥まで踏み込んだ先に、「更にもう一段」があることである。
普段は使う必要のない領域であるが、とにかく全力で加速をしたい時にぐぐっと踏み込む為に設けてあるようである。

感覚的にまとめると
 1)じわっと進みたいとき・・・指先でペダルをそろっと撫でる。
 2)普通に進みたいとき・・・普通にペダルを踏む。
 3)少し強めに加速したいとき・・・軽く奥までペダルを踏む。
 4)とにかく死ぬ気で加速したいとき・・・ゴツンと奥まで踏み込んで、そこからさらに捻りこむ様に踏みつける。


という4段階の踏み分けが、実に簡単にできる。
(本来、上手な人のアクセルワークというのは10〜20段階くらいの刻みを意識するそうであるが)
特筆すべきは、1)〜4)いずれにおいても、そのアクセル位置を維持するのに余計な筋肉を使わずに済むことである。
ちょうどいいところを足裏で探して、そのままバランスできてしまうので、運転していて非常に楽である。


mark01.jpg エンブレの効き具合
元来、トルコンAT特有のスリップというかズルズル感が苦手であった。
加速ラグは仕方ないとして、アクセルOFFでエンジンブレーキが効かないのが非常に怖いのである。
減速する度にブレーキをパカパカ踏むのもかなり煩わしいものである。
これは最近のAT車全般に言えることのようなのだが、ATでもクラッチを設けてあり、回転数等で判断してクラッチを直結(ロックアップ)させるものが増えて来ている。
Luteciaもこの類のATを搭載しているようで、エンブレ感が素直であることに最初は非常に驚いた。


mark01.jpg シフトタイミング
よくLuteciaと言うよりもルノー車が槍玉に挙げられるのが、ATのシフトタイミングである。
具体的には「加速時になかなかシフトアップしない」「速度落ちると勝手にシフトダウンする」というものである。
Luteciaその他を試乗する前に、雑誌やWEBで散々その手の評価は目にしていたので、試乗の際は「どれどれ」という思いで臨んだ。
確かに他の車と比べて加速時は上まで引っ張り、減速時はさっさとシフトダウンする、という動きである。

僕の結論としては「これでいいんじゃない?」である。
高いギアをできるだけ使いたい、という考え方は燃費向上の観点からだと思うのだが、加速が鈍いうちに勝手にシフトアップされてしまった時、あなたはどうするだろうか?
「加速とろいなあ」とイライラしてアクセルをガバッと踏みつけるのではないだろうか?
その結果、ATは結局キックダウンしてエンジンを不要に回す事になるのである。
数値で測ったわけではないが、結局同じことのような気がする。

一方Luteciaは、加速するまでは無理なくギアをキープしているし、どうしても更に加速したい時だけ踏めば良いのであるから、ルノー式の方が、シフトアップのタイミングをコントロールしやすいという点で優れていると思うのは私だけなのだろうか。


mark01.jpg いつの間にか加速している
Luteciaに試乗した時から感じたのは、「アクセルを踏むといつの間にか加速している」という感覚である。
自分ではそんなに飛ばしているつもりもないのだが、ちょっとアクセルを踏んでからチラっと速度計を見ると70km/hを指していたりする。
悪く言えば、疾走感に欠けるのであるが、高速で走行しても不快感を感じないのはこの車の特長であろう。
スピードが出ても「怖い」と感じないので自制心が必要ではあるが。


mark01.jpg のんびり走っても楽しい
誤解の無い様に声を大にして言っておきたいが、
Luteciaの特筆すべき特性として、「のんびり走っても楽しい」事が挙げられる。
目を三角にして飛ばすことよりも、周囲に迷惑にならない程度にチンタラ流すほうが性に合っている。
飛ばすことへの自制心は必要であるが、それが全く苦痛ではないのがこの車の不思議なところである。


Last update 2008.12.27

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