エンブレの効き具合
元来、トルコンAT特有のスリップというかズルズル感が苦手であった。
加速ラグは仕方ないとして、アクセルOFFでエンジンブレーキが効かないのが非常に怖いのである。
減速する度にブレーキをパカパカ踏むのもかなり煩わしいものである。
これは最近のAT車全般に言えることのようなのだが、ATでもクラッチを設けてあり、回転数等で判断してクラッチを直結(ロックアップ)させるものが増えて来ている。
Luteciaもこの類のATを搭載しているようで、エンブレ感が素直であることに最初は非常に驚いた。
シフトタイミング
よくLuteciaと言うよりもルノー車が槍玉に挙げられるのが、ATのシフトタイミングである。
具体的には「加速時になかなかシフトアップしない」「速度落ちると勝手にシフトダウンする」というものである。
Luteciaその他を試乗する前に、雑誌やWEBで散々その手の評価は目にしていたので、試乗の際は「どれどれ」という思いで臨んだ。
確かに他の車と比べて加速時は上まで引っ張り、減速時はさっさとシフトダウンする、という動きである。
僕の結論としては「これでいいんじゃない?」である。
高いギアをできるだけ使いたい、という考え方は燃費向上の観点からだと思うのだが、加速が鈍いうちに勝手にシフトアップされてしまった時、あなたはどうするだろうか?
「加速とろいなあ」とイライラしてアクセルをガバッと踏みつけるのではないだろうか?
その結果、ATは結局キックダウンしてエンジンを不要に回す事になるのである。
数値で測ったわけではないが、結局同じことのような気がする。
一方Luteciaは、加速するまでは無理なくギアをキープしているし、どうしても更に加速したい時だけ踏めば良いのであるから、ルノー式の方が、シフトアップのタイミングをコントロールしやすいという点で優れていると思うのは私だけなのだろうか。
いつの間にか加速している
Luteciaに試乗した時から感じたのは、「アクセルを踏むといつの間にか加速している」という感覚である。
自分ではそんなに飛ばしているつもりもないのだが、ちょっとアクセルを踏んでからチラっと速度計を見ると70km/hを指していたりする。
悪く言えば、疾走感に欠けるのであるが、高速で走行しても不快感を感じないのはこの車の特長であろう。
スピードが出ても「怖い」と感じないので自制心が必要ではあるが。
のんびり走っても楽しい
誤解の無い様に声を大にして言っておきたいが、
Luteciaの特筆すべき特性として、「のんびり走っても楽しい」事が挙げられる。
目を三角にして飛ばすことよりも、周囲に迷惑にならない程度にチンタラ流すほうが性に合っている。
飛ばすことへの自制心は必要であるが、それが全く苦痛ではないのがこの車の不思議なところである。
Last update 2008.12.27