トヨタヴィッツ TOYOTA-Vitz


むむ、これは結構侮れないぞ。本気でマーチを蹴落とす気か?
パッケージングと言うのですか、顧客のニーズを徹底的に調べ上げたって感じですな。
随所に、トヨタの「売らんかな」という気合が感じられる。
既に町にわんさかいるもんなあ。むう、トヨタおそるべし。
豊田市なんか、もう町中ヴィッツだらけなんでしょうか?と言う勢いである。
 
で、この車、ぱっと見がTWINGOに似てる。
街中で、一瞬TWINGOかと思う事も良くある。
初めてTWINGOを見た時は、「TODAYそっくり!」
と思ったもんだが(いや実際似てるケド・・・。)、こいつの方が似てるような気がする。
でもTODAYとVITZはあんまり似てないよな・・・・・?
 
まあ少なくとも、製作時点でのベクトルがTWINGO
ほぼ同じであることは間違いない。
というか、開発時に研究対象にTWINGOもあったのは想像に難くない。
 
で、まあ、偉そうに「出来」を比べてみる。
 
外見:
確かに似てるけど、面構えが全然違う。
ファンキーというか単に蛙面のTWINGOに対し、
Vitzは、まじめそうな犬顔である。
私はあんまり好きくないデザインだが、恐らくこっちの方が大衆受けすると思う。
他の部分のデザインは、比較的TWINGOの方が、良く言うとシンプル、
悪く言うとのっぺりした感じとでもいうのだろうか。
対してVitzは、リアゲートや後席サイドウィンドあたりのデザインに、
「色気出してみました」ってのが感じられる。
 
私は、デザインのためのデザインににはあまり興味がない。
無論、デザインのために機能性を犠牲にすることなど言語道断である。
その点、Vitzは従来の悪しき先例(カリーナEDとか、スプリンターマリノとか)
から比べると、格段に「進歩」していると思う。
思うが、その点ではTWINGOにやや軍配が上がる。
 
内装:
文句ナシに、とまでは言わないが、TWINGOの勝ち。
というかVitzの負け。
 
まず、このT字というよりパンツ型のインパネはどうしても許容しがたいものがある。
これは、おそらく「未来的」とかそういうイメージなのだろうが、
なんかこう子供っぽいというか幼稚な感じがする。
 
料理でもそうだが、良い材料を使えは、うまいものができて当たり前。
安いものをいかにうまく料理するかが腕の見せ所なのである。
そして、クルマにおけるデザインの役割とは、まさにここにあると思うのである。
まして、過去の名車の「イメージ」だけをコピーする道具ではあってはならない。
 
 
機能:
う〜ん、この点では後発のVitzの方が一枚上手かもしれない。
まず、小物入れ。Vitzの「これでもか!」と言いたげなスペース確保は大したもんである。
その点TWINGOは、あまり小物入れはないので、ちょっと悔しいがTWINGOの完敗である。
 
シートアレンジに就いても、後席スライド&座面収納の点では互角。
後席に座った感じでは、やはりVitzに軍配が上がる。
 
センターメータに関しては、TWINGOの方が見やすいと思うがこれは好みかもしれない。
 
エアコンのスイッチ類は、よりシンプルで操作しやすいTWINGOの方が上。
エアコンそのものの性能では負けちゃうけど・・・。
ただし、TWINGOには最終兵器「イージーシステム」がある。
これこそ、「トルコンズルズルの違和感」と「渋滞路でのGO&STOPのわずらわしさ」からの
同時脱却を可能にしているのである。
 
 
まあ、マリノみたいなクルマ作ってたところが、「機能性」や「居住空間」に
目を向けてきた、というのはものすごく歓迎すべき風潮である。
この調子で、各メーカーがTWINGOのライバルとなるべき小型車を
いろんなベクトルで作っていって欲しい。と思う。
その中に、TWINGOより私の理想に近いクルマが出てくればいいな。と思う訳である。
 

 

戻る