俺の屍を越えてゆけ
細かい設定や内容については、公式ページをはじめ、他のサイトでいろいろ書いてあるので省略。
一言で言うと、「世代交代」がテーマのRPGである。
やりなさい。
・テーマ曲「花(樹原涼子)」にビリっと来た人。
・FFに食傷気味な人。
・DQをもはや古典的すぎると考える人。
・それ以上にFFやDQの2番煎じにうんざりしてる人。
・ネーミングオタクな人。
・アイテム収集癖のある人。
・メモ魔の人。
・RRGやSMGはゲームバランスが命だと思う人。
・FCの名作「月風魔伝」「魍魎戦記MADARA」の血生臭い雰囲気が好きな人。
・妄想癖のある人。
やるだけ無駄です。
・漢字が嫌いな人。
・壮大な御褒美ムービーが何よりの楽しみな人。
・説明書を読むのが嫌いな人。
・競馬は好きだけどダビスタは嫌いな人。
・人の話を聞かない人。
・せっかちな人。
・パーティは、全員がすべての呪文を使える戦士でないと嫌な人。
・時間に追われるのが嫌な人
・作戦立てるのが嫌いな人。
・蘇生呪文がないRPGはダメな人。
しかし、久しぶりに感動したゲームである。
感動といってもシナリオや演出の話ではない。
(無論、それらもかなり高いレベルにあるのだが)
ゲームシステム、というよりゲームそのものに感動した。
やってみたらわかると思うが、細かいところまで非常につくりこんである。
作り手の情熱がひしひしと伝わってくるようである。
漠然とした話ばかりではなんなので、ちょっと整理してみよう。
1.システム
世代交代育成ゲームという点ではダビスタと共通なので、
「斬新」というわけではないのだが、いま某大手メーカー製の大作のおかげで
マンネリ化どころか淀みつつあるRPG業界に、新しい流れを作ったといえる。
いや、従来のRPGとは別ジャンルのゲームと考えた方がいいだろう。
まあ名前を付けるのなら、
ロマンシングサガ同様「フリーシナリオシステム」等となるのだろうが、
その実、ロマサガとは別物。
「目先の目標になるような細かいイベントは排除した」
とマニュアルにもあるが、それによって生じる「単調さ」を防ぐために、
ゲームバランスを徹底的(いや、ほんとはどのゲームもこれくらいはしてほしいのだけど)に
チューニングしてある。その言葉に偽りはない。
つまらん御託はおいといて、具体的に話をするなら、
ロマサガのそれは、単に全体のシナリオを細切れにし、
並行して複数の小イベントを発生させることで、プレーヤーの選択肢を広げようとしたものである。
まあいわば、マルチシナリオの極致と言っていいだろう。
それに対し、俺屍のそれは全く別物である。
「シナリオを選択する」のではなく「シナリオは自分で作る」のである。
自分で目標を立て、行動し、自分の生き様そのものがドラマなのである。
また、
・基本操作や入力I/Fは従来のRPGを踏襲。初心者も違和感なし。
・「家系図」「鬼録」「一族史」(各々何なのかはマニュアル及び他サイト参照)
といった、プレーの履歴を自動記録してくれる機能もある。
という細かい配慮にも注目。
2.シナリオ
そんじょそこらのRPGには引けをとらない出来とは、はっきり言える。
3.音楽
メインテーマ「花」は秀逸。
ただ、他のBGMも悪くないレベルなのだが、
「花」のアレンジ曲を多用し過ぎのような気もする。
というか、故意にやってるんだろうな。
誤解のないように言っておくが、減点対象では決してない。
ほかの部分が素晴らしい事に比べ、聞き惚れるような曲が「花」の他には特にないということだ。
ゲームの面白さを損なうものではない。
4.バランス
絶妙。しかも大雑把には4段階、細かく切りかえれば無数に調整が可能であるのも見事。
(イメージ沸かない人、マニュアル読んだらわかります)個人的なおススメは、「しっかり」か「じっくり」ですね。
「ゆるゆる」にして、シナリオ追うのも自由ですが、だったら他所のゲーム買った方が良いですよ。
5.グラフィック
最近流行り(?)のアニメ調のキャラデザインは
個人的にはちょっととっつきにくいのだが、まあ許容範囲である。
ただ、特筆すべきは、顔グラフィック、セリフについて、
重複が生じたことによるプレーヤーの「飽き」に対する考慮が徹底されていることである。
6.ナレーション
キャストも結構奢っている、というかなかなかツボをついたキャスティングである。
特に堀内賢雄、小山芙美はハマってますな。
ただ、臨終際のセリフ担当が男女一人づつなのが残念。
矢尾一樹(だよな?)の演技に不服はないのだが、
特に男キャラは素人(開発スタッフ)でも良いから複数いた方がしっくりきたと思う。